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『医師、看護師、薬剤師の秘密』(14) がんは完治するのだろうか?(2) 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ


 

がんは完治するのだろうか?(2)

 

がん治療の常識・非常識―患者にとっての
最良の選択とは? (ブルーバックス) 田中 秀一

を読んで、主要ながん治療成績は数十年前と
ほとんど変わっていないことを知り、愕然としました。

 

 

前回、がん治療には大別すると3つある、と
お伝えしました。

「手術」「放射線療法」「抗がん剤治療」です。

田中さんは、この中で「放射線療法」は軽視されて
きた歴史があると、述べています。

ところが、「最近、放射線治療の技術が格段に進歩
したこともあり、ある種のがんでは手術に代わる
治療法となってきた」(P.118)そうです。

そもそも放射線とは何でしょうか? 

東日本大震災以後、福島第1原発事故の報道で、
放射線の危険性が叫ばれています。

 


 放射線とは、陽子、中性子、電子、イオンの形に

 なった原子核など原子を構成する要素の流れ、

 あるいは電磁波の流れということになる。

  (P.121)

 

これだけではよくわかりませんね?

もう少し、解説文を見てみましょう。

 


 放射線には物質を通り抜けることのほかに、

 「電離」という性質がある。

 電離とは、放射線が物質を通り抜ける時に原子

 から電子をはじき飛ばすことで、イオン化とも

 いう。放射線が人体を通り抜ける時に電離を

 起こすと、DNAなどにさまざまな影響を及ぼす。

 これが、がんの治療に役立ったり、放射線に

 よる副作用の原因になったりする。

  (P.122)

 

ここでキーワードが現れます。アポトーシスです。

アポトーシスとは「細胞の自然死」と言われるもの
です。

私たちの体の中では、毎日細胞が死滅しています。
その現象をアポトーシスというのです。

一方で、新しい細胞が産生されています。

残念ながら、脳細胞は死滅すると、産生しません。

しかし、脳細胞の数は非常に多いので、残った細胞
同士が新たなネットワークを作り、細胞の死滅による
機能低下を補うことができるのです。

「大脳の神経細胞数は約140億個と推定されていますが、

大脳の深い所にある細胞や小脳の細胞を入れると1000~

2000億と推定されています。」

川上脳神経外科クリニックのホームページから)

放射線はアポトーシスの引き金を引くのだそうです。

ただ、問題は、がん細胞だけでなく、正常な細胞まで
にも同様の影響を与えることです。特に影響を受け
やすいのは、骨髄や小腸だそうです。

白血球などの新しい細胞をつくる骨髄の幹細胞が
放射線を浴びると骨髄の壊死などにより、生命に
かかわる深刻な事態を引き起こします。

放射線を集中させる技術が向上し、放射線治療の
安全性と効果を高めたといいます。

がんの種類によって、放射線治療が有効な場合と
そうでない場合があるそうです。小児がんや肺がん
には効果があるそうですが、胃がんや大腸がんには
あまり効果がないということです。

やっかいなのは、放射線が効きやすいがんでも、
サイズが大きいと効きにくくなるということです。

放射線治療ができる施設は全国に800カ所近くある
そうですが、その数より医師のほうが少ない、
というにわかには信じられない実態があります。

医師が少ないだけでなく、放射線技師などの専門
スタッフも不足しているのが実態です。

このため、放射線治療をするよりも、手術を行う
ことが多くなります。

アンケート調査によると、外科医の98%は「手術を
行う」と答えています。(P.142)

さて、次回は「がんは完治するのか?」というテーマで
お伝えします。

 

 

 

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