早慶の入試は5科目で
2013.8.26
滝 久雄(たき・ひさお)氏
[ぐるなび会長・創業者]
リーダーは自然には育たない。積極的に育てる必要があるのだと痛感している。
「若者を育てる」という強い意志を日本全体で持ちたい
ものだ。
その重要なテーマの1つが教育で、中でも理科教育には
課題が多い。
何も文系の人に、理系並みのレベルを求める必要はない。
文系の人に出題する数学や化学、物理は、理系よりも低い
レベルでいい。理系学科への受験者の国語や社会も同様だ。
もう1つの課題は、理科を教える先生の養成だ。ゼロから
育てるのは大変だが、モノ作り大国である日本には、
潜在的に理科を教える能力のある人材は多い。
そもそも理数と文系科目は切り離せるものではない。
国を造るのは人だ。未来を拓くのは若者たちだ。そして、
教育には時間がかかる。
「ぐるなび」は飲食店検索サイトで、不動の地位を
築いています。
ぐるなび会長・創業者の滝氏は、日本の将来を憂え、
教育改革の提言を行なっています。
私見ですが、すべての学問の基礎には国語がある、
と考えています。
理系であろうと文系であろうと、国語力は大切です。
これはなにも漢字検定や漢字の書き順などを言っている
のではありません。
文章を読んで理解し、人に分かりやすい言葉と表現で
伝えるためには国語力が不可欠です。
論理力は国語力の上に成り立つ概念だ、と考えています。
ロジカルシンキングは、アリストテレスの3段論法が、
基本中の基本です。
A=B、 B=C が成り立つならば、A=Cというものです。
日本人は欧米流ロジックが苦手で、以心伝心で分かる
というのは非論理的だ、と長い間言われ続けてきました。
しかし、決してそんなことはありません。
ロジックは「世界共通の言語」と言われることがありますが、
確かにロジックに基づいて説明すれば理解しやすでしょう。
しかし、ロジックだけでは説明できないことはいくらでもある、
ということも理解する必要があります。
ロジカルシンキングを身につけるのはそれほど難しいこと
ではありません。物事を自然に考えることです。
突然変異は常に起こることを頭の片隅に置いておくことは、
必要なことですが。
* 今週号には、「編集長インタビュー」が掲載され
ませんでしたので、「直言極言」から掲載しました。

