日経ビジネスのインタビュー
バックナンバー(72)
ここに掲載しているのは、管理人・藤巻隆が
携帯サイトで運営していた時のコンテンツです。
2007年1月8日号からスタートしています。
1カ月分毎にまとめてあります。
● 2012.12.24-31
(No.4)<301>
消費者と共に変わり続ける
奥田 務(おくだ・つとむ)氏
[J・フロントリテイリング会長兼CEO(最高経営責任者)]
J・フロントリテイリングは、百貨店以外にも食品スーパーなどの事業を展開しています。ただ総合的に見ると、売上高や利益の大半は百貨店が出している。
我々もお客様と共に変わらなくてはならない。永遠に変わり続けなければ、生き残れないと思っています。
百貨店業界の売上高は2011年まで15年連続で落ちています。これは非常に危険な状況でしょう。この最大の要因は、百貨店がお客様の変化に気づかなかったか、もしくは気づいていても対応できなかったことにある。
インターネット通販は、もう好き嫌いじゃなくて、基本機能として持たざるを得ない。今後さらに小売りの垣根が消えると、インターネット通販を我々のビジネスにどう組み込むかが重要になります。
● 2012.12.17
(No.3)<300>
アジア経済、来年は復調
黒田 東彦(くろだ・はるひこ)氏
[アジア開発銀行総裁]
2012年の成長率は2011年に比べて下がりますが、2013年にかけて回復していくと予測しています。
世界のほかの地域に比べると、アジアの成長率は圧倒的に高い。今や世界経済の成長の半分以上はアジアによる寄与です。
長い目で見れば中国の成長率もだんだんと下がっていきますから、労働集約型産業が中国から東南アジアや南アジアに移っていくトレンドは今後も続くと思いますね。
一番重要なのは、絶対にデフレを克服するんだという強い意志を表明することだと思います。
● 2012.12.10
(No.2)<299>
スマホは敵にあらず
岩田 聡(いわた・さとる)氏
[任天堂社長]
お客様にゲーム機を買ってもらうのは「ゲーム機の未来を信じていただく」こと。信じられる未来を作るためにはまずハードに勢いをつけて、好循環につなげていくことが必要なのです。
我々はハードだけでなくソフトも販売しています。ハードが普及すれば、ソフトの売上が伸びて業績に寄与します。
任天堂のゲーム機にしか提供できない価値があれば市場で生き残るし、そうでなければ生き残れない。単純に何かと競争して勝つとか負けるとかではないと思っています。
我々は常に消費者の無関心と戦っています。つまり、ゲームにどうやって興味を持ってもらうかです。スマホやタブレットの登場で環境は変わりましたが、本質は何も変わっていません。
● 2012.12.03
(No.1)<298>
マーケティングはアート
安藤 宏基(あんどう・こうき)氏
[日清食品ホールディングス社長・CEO(最高経営責任者)]
マーケティングは、いわばアートですよ。論理構成は立てるけど、消費者のメンタルモデルは違う。一人ひとりの心は矛盾だらけなので、いくら社会心理学的に解析しても詳細までは把握しきれません。
他社にぶっ壊されてからじゃ困る。自らぶっ壊した方がいい。カップヌードルの技術も、近いうちに新しくなります。時代とともに、商品も技術も常に変わっていくんです。
組織というのは無責任なものです。だから物事の責任は組織ではなく個人に帰さなきゃダメなんです。個人の場合、「おまえに責任がある」と言われたら、どうにも逃れられませんから。
経営者にとって重要なのは、軸がぶれないことです。社長がああだこうだと言うと、会社が揺らぐんです。ですから、これはいいと決めたことは一定の答えが出るまで徹底する。途中の段階で、いろいろと文句を言っちゃいかんのです。

